RAP NEWS

2024.6月号/Vol.255

「人の踏まぬ道に花が咲く」

 先日、国交省から車体整備事業者向けに「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」がまとめられました。以前、ある事業者が入庫した車を故意に損傷させて、修理費を水増ししていたという事件が大問題となりました。このような事態を受けて、車体整備の作業内容や画像などの記録保存、ユーザーに対する積極的な情報発信などを推奨しています。確かに、車を預けてしまえばどのような修理をしているのか、どの部品をどのように交換しているのかユーザーにはわかりません。

以前、追突され、新品部品で修理する話だったのに、リサイクル部品を使われたという話を私の知り合いから聞いたことがあります。修理後すぐの段階では、中古か新品部品かは、一般の人にはわかりません。たまたま、同じ個所を修理した際に発覚したそうです。当然ですが、その工場にはそれ以来行っていないとのことでした。
私自身、リサイクル部品販売を行っていた時期があり、納めた部品一式をすべて新品として請求書に記載している工場がありました。「これ新品で請求するのですか?」と聞き、「そうだよ!」と言われた時はビックリしました。 

請求書のあて名にあるお客様の名前がチラっとみえて、本当にこのお客様は気の毒だと思いました。私が取引している工場さんは皆、リサイクル部品を磨いたり、修理したり、ボディカラーに合うよう丁寧に塗装したりしている方々でしたので、その工場とのお付き合いは難しいと思い、次第に足が遠のいていきました。

さて、国がガイドラインを考えたということは、ユーザーを守りたいのか、もしくは車体整備事業者を守りたいのか、わかりませんが、いずれにしても重要なことかと思います。

ガイドラインによれば、入庫後、作業開始前、作業中、作業後の画像や情報などを一定期間保存することが求められます。また、実施することが望ましい取組みとして、ユーザーへの情報発信が挙げられていますが、どのくらいのユーザーが預けた車の整備や修理の進捗を知りたがっているのか? もしかしたら、それほど需要がないかもしれません。でも、「当工場は修理の透明性を重視し、修理中、修理後の画像をお客様へご提供しています」と発信できれば、ユーザーに安心感を提供できるし、他社との差別化になり得ると思います。

新しいことを行うことは「面倒」に感じるかもしれませんが、他の会社も同じです。私自身も「ちょっとこれは面倒だな」と躊躇してしまうことがあり、アドバイスできる立場ではありませんが、便利なツールを最大限、利用しようと思います。

例えば、ラインを活用すれば、写真はもちろん、お客様(ユーザー)とのトークをリアルタイムで行えるし、それを社内で共有することもできます。お客様のご要望があれば、映像を簡単に共有することもできるようになりました。すでに行っているところもたくさんありますが、遅すぎる、ということはないと思います。

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