RAP NEWS

2025.9月号/Vol.270

「便利と不便」

食品を温めることに特化した単機能電子レンジが、ここ数年で注目を集めているそうです。サイズもコンパクトでしかも低価格。操作も簡単で、買ってきてポンと置けばすぐに使えます。高機能な電子レンジにある、食品の温度などを検知して自動で温めてくれる温めセンサーというものが搭載されていないものが多いので、いわゆる手動です。でも、自分の好みにピッタリとあわせるように「30秒」「15秒」をプラスしたりできます。

先日、お客様から「ある見学会を開催しているが、その中で予約の対応に困っている」とのご相談をいただきました。一日に数組の方をご案内することになっていて、見学を希望される方からの電話を受け、その予定を確認し、内容をエクセル等に入力して整理する。担当の方にとっては大変手間のかかる業務で、第一報の予約を電話で対応をせずに、簡単に受け付けたい、との要望でした。便利な予約管理システムは世の中に山ほどありますので、それらを導入すれば良いと思いますが、その中から自分達の状況にマッチするものを見つけて、スタッフみんながスムーズに使えるようになるまでは、結構な時間がかかります。
また、機能がたくさんあるがゆえに、使わない機能もたくさんあり、操作を覚えるまでが大変になってしまう、ということもあるようです。

車検の予約についても同様のご相談を受けたことがあります。顧客や車両情報とつなげて一括管理できる高機能なものがすでにあると思いますが、そのお客様は、電話でご予約やキャンセルの受付も併用しながら、簡単な予約システムを運用されています。

 より便利な機能のものを導入することは、もちろん重要なことなのですが、お客様の「不便」はお客様ごとに異なります。大切なのは、使う人の立場や状況に合わせて「ちょうどいい便利さ」を見つけていくことなのかも知れません。そのためには、お客様は何に困っているのか? 何が必要か? 比較的すぐに始められそうなことは何か? など、段階的に小さなステップから進められれば良いものになると思います。

 話は変わりますが、「便利」が増えると「不便」も増える、「便利」と「不便」の総数はイコールなのではないか。
数年前のドラマで聞いたセリフですが、とても私の耳に残っています。この主人公は、いわゆるガラケー。仕事のやり取りの多くはスマホ、慣れて活用すればいいのだが、とても面倒な様子です。飛び交う「カタカナ」のビジネス用語やIT用語の中でも、変わらず自分のペースを守りながら自分の仕事をしていく姿がとても印象的です。

変化があるからこそ「変わらないもの」が、より浮き彫りになります。根本的に変わらない、時間が経っても揺るがないものも大切にしていきたいと思います。

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